熊日出版

編集を通して垣間見るもの

こんにちは。(や)です。すっかりブログの更新が滞っていました。

Twitterでは日々のつぶやきや、本の紹介、スタッフの日常などなどジャンルに制約を設けることなく常識の範囲内で自由に、思い立った部員が投稿しています。

私の一人よがりにならないように、他の人にも「誰かつぶやいてね!」とプレッシャーを与えたりもしていますが(笑)。

 

日々の編集の仕事に追われているので、「ブログなど書いている暇はない!」みたいな雰囲気だったり「そんなことより重要な仕事があるだろ」みたいな世知辛い空気を感じたりもするのですが、「これも読者に興味を持ってもらうため」と思えば、コツコツとやる意味もあるのではないのか?ないのではあるのか?ないともいいきれない・・(二重否定はややこしい)。

 

この時期から年末・年度末にかけて編集関係は慌ただしさを増します。

 

実際に、私も先日自費出版の書籍を納品したばかりですが、また別の編集に取りかかっています。

 

慌ただしいし、バタバタするし、時には殺気立つこともあるけれど、編集という仕事を通してさまざまな著者のかたのいろんな作品に携わることで、一読者として共感することもあるし、知らなかった世界に触れることもできるし、その人となりを感じることもでき、辛いときもありますが、面白く思えることもあります。幅広いジャンルを取り扱っているので、作品も作風もさまざまです。

 

今担当している著者のかたは、これまで書き溜めてこられたエッセーを本にまとめたいということで、原稿整理させていただきました。詳しい内容はここでは書きませんが、原稿に綴られていたのは、それまでの人生、けっして楽なことばかりではなく、辛く苦しい時期もあったり、自問自答することもあったりして、その生きていくことの大変さが伝わってくるものでした。ただ、それでも自分なりに前を向き、人と接し、ささやかな喜びを見つけて毎日を過ごされ、それを文章で書き記されておられます。

 

一方でその人とは違う、別の自費出版を検討しているかたの、過去から書き溜められていた原稿も読ませていただいたのですが、そこにもまた挫折あり喜びあり苦労あり、笑いありで、自分の知らなかった世界のその人のドラマがその人の文体でしたためられていました。

その人とちょっと話しただけでは分からない内面をちょっとだけ知りえた感じがしてそれまでの人生を勝手に想像してみたのでした。

 

人はいろんな面を持っていて、一見そういう風に考えていること、そんな風に思っていること、など、気づかないことも意外と多いんじゃないかなと思います。明るい人も、いつも明るいわけじゃないし、大変じゃなさそうに見える人も、実は口に出さないだけで知らないところですごく大変な思いをしているかもしれない。

 

著者の思いや考えや人生の出来事や物語などを、文章を通して知ることで、自分にも重ねてみたり、新たに気づかされることもあったり、日々自分になんらかのスパイスが加わっているような気がします。そして、そういう作品や著者に出合うということも、なんだか不思議な「縁」に思えてきたりして。

大げさなことでもない、ちいさな日常のことなのですが、あれやこれや思う今日この頃なのでした。

あれやこれや思う暇があったら仕事しなきゃ!(人に言われる前に自分で言っとく)

 

 

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