内容紹介

県立大学総合管理学部の４つのコースの教員が、それぞれの分野を飛び越えて、「災害」や「防災」をテーマとした総合的な学びについて考えました。

第１章では、防災に関する公共政策や自治体の災害対策、自助・共助・公助の視点などを具体例を挙げながら解説しています。
第２章では、「経済」をキーワードに、家計による防災手段、公共財の提供、災害政策の効果に対する統計的分析など、防災に対する経済学における様々な示唆を解説しています。
第３章では、災害発生をどのような手段や技術で市民に伝えるのか、災害の発生を防ぐための高度な技術、そして教訓や知恵といった生活に密着した情報、災害時のコミュニケーションなどについて取り上げています。
第４章では、医療福祉の支援、災害医療の体制、災害医療時の協働と活動のキーワードなど、東日本大震災を題材に医療を中心とした人と人とのつながりについて解説しています。
第５章では、学生を中心とした「総合管理型減災教育」の実践例を報告します。これらは、第１章から第４章までの各コースの視点から学んだ知識や考察をもとに、グループによるポスターを使ったプレゼンテーションを実施した事例です。学生自身がテーマの内容について理解を深めるため、講義内容を踏まえたポスター資料を作成しました。その後、各グループがポスターを使って教員や他の学生にその内容をプレゼンテーションし、各プレゼンテーションの評価を行いました。学生たちがこの取り組みを通じて、今後どのように防災や減災を学んでいくのか、またこれらの学びから、どのように学生が地域リーダーとして活躍していくのかについて、考えていきたいと思います。
（「はじめに」より抜粋）

＜目次＞
巻頭言　熊本県立大学理事長　五百旗頭
はじめに
第１章　災害関連法と公共政策／澤田道夫
第２章　「防災」の経済学－経済学的視点から考える人々の防災行動／本田圭市郎
第３章　災害と情報・情報通信技術／小薗和剛
第４章　災害から命と生活を守る／安浪小夜子
第５章　総合管理型減災教育の実践－学生による防災・減災に関する報告／山西佑季
あとがき

※肩書き等は発刊当時のものです