熊日釣り情報

しけの日にはわが家で読書

409号

ムツゴロウの大漁旗

畑 正憲 文春文庫 1979年

 テレビの「動物王国」でおなじみのムツゴロウ先生はちょっと変なおじさんだが、東大で動物学を学んだ研究者。少年時代を大分県日田で過ごし、筑後川でコイやウグイを釣って遊んだ。学生時代は東京湾で生態調査の合間に釣りを楽しんだ。

 だが、もっと荒っぽい漁師の釣りをしたいと、瀬戸内や紀州に出かけ、マダイの一本釣り漁師の船に乗り込む。さらに、サヨリがどのようにまき餌を食べているかを海に潜って確かめる。釣りにかける情熱は相当なものだ。

 「浮子(ウキ)の釣りは少年の釣りでもある」と昔を思い出す。全編が釣りの話。楽しく読めるが、「バラシがなければ逆にがっかりする」や、地球を釣ったとき「大物が釣れた気分が味わえる」というのは、どうだろう。

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