
しけの日にはわが家で読書
402号
魚介類の料理や味について科学的に考察している。著者は専門学校や大学で栄養学を教えた。新鮮な魚がなぜうまいのか、調理法でうま味が変わるのはなぜかなど、健康や老化との関連も交えて分かりやすく説明する。
魚は五十音順に配置され、どこからでも読める。冒頭はアジ。うま味の決め手はイノシン酸だ。マダイやヒラメよりイノシン酸を多く含み、うま味にこくがある。アオリイカ(ミズイカ)はうま味成分のグリシンが多く、プロリンとタウリンが少ないので甘味が強い。刺し身がいい。一方、肉厚のコウイカはグリシンを含まず、代わりにタウリンが多いので、てんぷらやフライに向くという。
自分で釣った魚は何でもおいしい。科学の目でうま味を引き出す調理法を学ぶと、もっとうまい。
