熊日釣り情報

しけの日にはわが家で読書

419号

魚眼漫遊大雑記

野田知佑 新潮文庫 昭和63年

 テンポよく読める旅&釣りの随筆。著者は菊水町(現和水町)出身のカヌーイストで、世界各地の川を下った。雑誌記者時代、「釣りもよろしいですが、仕事の方もどうか忘れずにやってください」と言われたほどの釣り好き。オーストラリアのタスマニア島でマス、フランスのセーヌ川ではヘラブナに似た魚、アフリカのナイル川源流でも大ナマズを釣った。その原点は菊池川。「ぼくの郷里では(略)、食いが悪いと『エエクソー』と叫び、すぐ裸になって川にとびこみ、魚をふんづかまえてしまう。この方が釣りより面白いのだ」。だから釣りは「いつまでも上達しない」。

 笑いも誘う釣りや魚、食べ物、美しい自然の「雑記」だが、世界各国の雑学ネタもふんだんにある。「魚眼」だから視野も広くなる。

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