熊日釣り情報

熊本日日新聞 釣り欄取材メモ

「ありがとう 赤崎小」

津奈木町 福浜漁港(通称赤崎港)
平成25年8月24日

 平国港(津奈木町)に取材に行ったのは8月24日。数日前までの暑さはややかげりました。20日には天草市牛深町で最高気温が39.6度まで上がり、県内で観測された最高気温を更新。菊池市や熊本市でも38度を超えました。

 それにしても異常気象です。日中は釣りどころではありません。日差しがあれば、午前10時ごろまでが限界です。24日の平国港も、釣り人はまばら。釣果もいまひとつです。取材を終えた直後、大粒の雨も降ってきて、急ぎ撤退。南側の福浜漁港(通称赤崎港)に向かいました。

 同港の波止の先には旧赤崎小学校の校舎があります。児童数の減少で2010年3月、閉校になりました。かつて、海の上の小学校として知られた同校。今は空き家です。3階の壁面にある「ありがとう 赤崎小」の大きな文字もどこか寂しそう。 写真はちょうど満潮をすぎたころ。まさに海の上に校舎があります。たしか、教室から釣りができると話題にもなりました。それも、今は昔の話。

 小学校の閉校は、ここだけの話ではありません。同年から13年にかけ、県内では多くの小学校が児童数の激減で閉校に追い込まれました。県内にはおそらく20校を超える空き家の学校があるはずです。再活用の案もまとまらないまま、放置された学校ほど、うら寂し姿はありません。子どもたちの歓声がこだましてこそ、校舎です。かつてほど子どもたちの声が聞かれなくなった町や村は、これからどうなっていくのでしょう。児童たちの姿がない赤崎小学校の校舎を見ていると、言葉が出ません。(掛)

  • 福浜漁港の堤防から望む旧赤崎小学校
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