本・雑誌のご紹介
肥後にわか ~笑いの来た道~
熊本の笑いのルーツを探る
著 者 :松尾 正一(まつお しょういち)
体 裁 :A5判、並製本、160ページ
出版年月日:2021年3月28日
定 価 :2,200円(本体2,000円+税10%)
I S B N :978-4-87755-618-1 C0076
発 行 :熊本日日新聞社
制作・発売:熊日出版
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説明
内容紹介
熊本の伝統のお笑い「肥後にわか」。下火と言われながらも、今もしっかり生き残っている。単なるドタバタのようでもあるが、どこか懐かしい独特の世界があり、そこには容易には枯れない〝笑いの水脈〟のようなものが流れているのではないだろうか。
「にわか」の世界に引き込まれた著者(熊本日日新聞社のOB記者)が「にわかはどうして懐かしいのか」「なぜ私たちは笑いを求めるのか」と、思いを巡らせながら、熊本の笑いの原点を探ります。
本書では、幻の名人・運船利平や「ばってん組(のち劇団)」の創設者・蓑田又雄、一世を風靡したばってん荒川をはじめ、現在も活躍する肥後にわかの担い手たちを紹介。併せて県内外のにわかや伝統芸能、民俗芸能まで幅広く掲載しました。本文中で紹介される「高森のにわか」は2019年に国選択無形民俗文化財に選ばれています。
※2018年5月から52020年6月まで26回にわたって熊本日日新聞夕刊に連載した「肥後にわか」を単行本化したものです。
【目次】
笑いの水脈 熊本弁の掛け合い魅力
招魂祭の花形 市中を巡った「俄踊り」
幻の名人、運船利平 素晴らしい機知、通る声
戦後の復活 ラジオの電波に乗って
東京進出 浅草に熊本弁の花が咲く
曲がり角 高度成長の波にのまれ
ばってん荒川 新境地開いた熊本の顔
高森にわか 移動舞台で繰り出す若者
高瀬と伊倉 笑い競った玉名の若者
県内各地 消えた地域色豊かな伝統
博多にわか 半面姿で効かせた風刺
佐賀にわか 筑紫美主子が生んだ笑い
大阪俄 町を流した、お笑いのルーツ
風流の精神 祭りの場に〝機知の笑い〟
学会設立 掘り起こされた庶民の心
「盆後踊」と「殿様祭」 藩と町民、にぎわい創出
造り物 今も息づく「見立て」の精神
夏祭り 〝夢中になれる時間〟活力に
方言 優しく温かく、舞台の命
おてもやん 陽気な女性像、役名に拝借
台本 時代の空気笑いの〝発射台〟
川上音二郎 にわかから明治の新演劇創る
新番組やオペラ 下火の中で新たな試み
素人劇団 今も変わらぬ演じる喜び
プロ劇団 「まぁだ十分、興行成り立つ」
にわかとは 時代が咲かせた笑いの花
肥後にわか関連年表
あとがき
主な参考文献
著者紹介
1955年、長崎市生まれ。島根県立松江北高、同志社大学卒。
熊本日日新聞記者として政治、文化、社会部、八代支社、地方部で熊本市政や芸能、水俣病、司法などを取材。
広告局、総合メディア局を経て再雇用後に嘱託編集委員としてにわか連載を担当した。趣味はテニスと音楽鑑賞。
旧著に「熊日ヤング欄 わ、ゆーてしもた!」(熊本日日新聞社)。
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