こんにちは。新型コロナウイルス肺炎の流行で、外出自粛、在宅勤務だったり、お家時間も増した今日この頃。休日も家にいることが多くなり、皆さんも室内でできることを工夫しながら過ごしているのではないでしょうか。
手前みそですが、読書はおすすめです。知識や教養を深めることもできるし、心を癒してもくれます。現実逃避できるようなコミックもまた楽しいですね。電子書籍も今はいろいろあるようです。私は紙の本も好きです。
今回は「本」の内容というよりも、外側(ハード面)について少し説明しようかなと思います。本がどのようにして作られているのかということ。
編集・校正作業をほぼ終え、修正がなくなった時点(校了)から印刷準備を経て実際の印刷が始まります。まず、両面印刷された大きな紙を折りたたんで「折丁」を作ります。4ページ、8ページ、12ページ、16ページ、32ページ分の折丁が基本となります。
一般的に表8p×裏8pの16ページ分(八つ折り)が多いようです。「両面印刷された大きな紙」というのは、その紙に印刷する複数のページを、ルールに沿って割り付けます。例えば、表と裏16ページ分の面付であれば、表8ページ分、裏8ページ分を次のように割り付けます。
「天」は本のページでいうと上の方を示します。ちなみに下方向は「地」と呼びます。
一見、ランダムに並べているようですが、これを八つ折りするとなぜそうなのかが分かります。
よかったら、A4サイズのコピー用紙でもいいので、1枚をざっと8分割して上のような数字を裏表に書いてみましょう。
(「天1」の裏に「天2」がくるような位置関係で)
そしてそれを「天1」が表になるように、二つ折りしてさらに二つ折りしてもう1回二つ折りしてみてください。
↓
実際に折ってみると「ハハーン」「そういうことか~」って思いますから。折られた状態なので部分的につながっていますが、書いた番号は順番に並んでいませんか?それが1ページ、2ページ・・となるのです。ちょっとした図画工作気分になりませんか? まっさらなコピー用紙と鉛筆とはさみとホチキスがあれば試すことができますよ。
印刷の工程では、この折丁を一つの単位として、異なるページの折丁を複数作っていきます。異なるページを印刷した一つ一つの折丁の背にあたる部分には背票が印刷されています。
※複数ページを大きな紙に割り付けた実際のものが下の写真。印刷時にはこのような形態になります。
この一枚の大きな紙を折ると・・
このような感じになります↑
この折丁を複数作成し(ページが異なる折丁)、重ねるとこんな感じ↓
背には背票が印刷されています。
これは各折丁を重ねた際に、抜けている折丁があったり、折丁の順番が間違ったりしていた場合に一目で分かるので、ミス(落丁・乱丁)を防ぐことができます。工夫されているのですね。
必要なページが印刷された複数の折丁を重ねて綴じ、表紙をつけて断裁すれば本ができるという、大まかな流れです。だから本のページ数は通常8や16の倍数が多いのです。
綴じ方も、背側に接着剤をつけて綴じるやり方もあるし、糸や針金を使って綴じるやり方もあるようです。例えばパンフレットのようなページ数が少ないものになると、針金を使って背を綴じます。ノートなどは糸を使ったミシン綴じ。書籍や冊子やパンフレットなど、その性質に合わせて適した方法で綴じ、断裁します。断裁する工程はその本の体裁によっても違うようです。
おおざっぱに言うと、たとえば、上製本(ハードカバー)は、中の本文を断裁した後に別で作った表紙(ボール紙に印刷用紙を張り付けて作ったもの)をくっつけますが、並製本(ソフトカバー)は、中の本文と外の表紙をくっつけたあとで表紙と本文を同時に断裁します。
以前も書きましたが、紙の本は、作者だけでなく、編集する人、表紙や中身をデザインする人、印刷所内で制作や印刷・製本の製造に携わる人、日程や費用を調整する営業さん、取次店の人、書店員さん、などなど多くの人の努力によって作られています。
「書籍 製本」「製本の種類」「書籍 印刷」などで検索してみるといろいろなサイトが出てきて面白いですよ。みなさんも家で過ごす時間に飽きてきたら、見よう見まねでいいので、ちょっとした折丁を作ってみてみませんか?
新型コロナによる非日常的な生活を送っていますが、少しでも健康で安心な日常に戻るといいなと思います。(や)