熊日出版

「この命 どう使う」

「この命 どう使う」

 

この言葉、どなたの格言だと思いますか?

どこかの国の政治家、ノーベル賞受賞者、著名な作家etc…。

答えをご存じの方はテニスファンに多いのではないでしょうか。

そう、今や日本テニス界を背負って立つまでに成長した錦織圭選手の自作格言なんです。

しかも作った年齢が驚き!! なんと12歳です。

迫力と冷静さと覚悟を兼ね備えた言葉、プレティーンの少年が紡ぎ出したとは思えません。

その後、錦織少年はこの自作格言の言霊に導かれるかのように13歳で親元を離れ、一人アメリカへ武者修行に旅立ちます。そこで世界中から集まった数多の才能と戦い、磨かれ、世界のトップ5に入るプロテニスプレーヤーへと飛躍を遂げるのです。

 

私は最近、とあるネット記事でこの言葉を知ったのですが、そのとき、ふと両親のことが頭に浮かんできました。

 

自分の命の存在って、たいがいの人は、普段は特に意識することもなく生活していますよね。

私も成人してから長い月日が経ったころにやっと「自分の誕生日=両親に感謝する日」と思えるようになったわけで、それ以前は自由奔放に、ただ自分のことだけ考えて過ごしてきたように思います。

 

ようやく親孝行の真似事ができるようになった矢先、熊本地震が起こりました。故郷へのアクセスが寸断されたため、両親と再会できたのは数週間後のことです。電話では話せていたものの、会えないからこその不安が幾重も私の心を覆っていました。

 

やっと再会できたとき、泣きそうな私を、両親はありえないほど明るい笑顔で出迎えてくれました。

本当は怖い思いも、辛い思いも、不便なこともあっただろうに、地震前と変わらない、いやそれよりもっとパワフルな姿を見せてくれた両親。そして「体はどぎゃんもしとらんね?」「ごはんは食べよるね?」「仕事は大丈夫ね?」と逆に心配される娘。「親思う心にまさる親心」というのでしょうね。

この両親の下に生まれてきて、本当によかったと改めて思います。

 

二人に授けてもらったこの命。大事に使わないと罰が当たりますね。  (くっしー)

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